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通信断・欠損データでAIはどう振る舞うか
インターネット回線断と設備データの停止は別の障害です。判断保留、ローカル継続、復旧後の同期を分けて設計します。

本記事は構成・検証方法の解説です。実機での試験結果、AIの精度や速度、導入実績を示すものではありません。
「ローカルAIならすべて使える」とは限らない
推論処理が工場内でも、操作画面がクラウドだけなら、回線断で画面を利用できなくなる可能性があります。必要に応じてSpark側にローカル監視画面を用意し、継続できる機能を明示します。
| 障害 | 設備データ | 判断・画面の扱い |
|---|---|---|
| インターネット断 | 工場内で受信継続できる場合 | ローカル画面・推論を継続。クラウド更新・承認は制限 |
| PLC通信停止 | 最新値が取得できない | 最終受信時刻を表示し、現在状態のAI判断を保留 |
| 一部タグ欠損 | 必要な情報が不足 | シナリオに必要な項目を判定し、追加確認または保留 |
| 時刻・記録の矛盾 | 時系列・対応関係が不明 | 矛盾を明示し、担当者に確認を求める |
01
受信する
取得時刻・受信時刻・品質を取得。
02
鮮度を判定
設備ごとに定義した許容時間と照合。
03
保留を伝える
期限超過や欠損を表示し、担当者に確認を促す。
データの鮮度は、AIを呼び出す前に判定する
受信周期と許容遅延を合意し、最終受信からの経過時間を監視します。値が存在するだけでは有効とみなしません。計測時刻、受信時刻、品質フラグ、必要タグの有無を確認し、期限を超えた値は「更新停止」として扱います。判定の時間条件は設備・業務ごとに確定します。
01
鮮度を照合
時刻・連番・品質から最新状態を確認。
02
古い要求を排除
期限切れ・重複した操作要求を検証。
03
再開条件を確認
人の承認とPLC側の実行条件を確認。
復旧したときに、過去の命令を実行しない
通信復旧時は、蓄積イベントの同期と設備操作の再開を別々に処理します。イベントIDで重複登録を防ぎ、発生時刻と受信時刻を保持します。操作要求は有効期限、対象設備、承認、重複、現在の設備状態を再検証し、期限切れや条件不一致なら実行しません。
PoCの受入試験例
| 試験 | 期待する動作 |
|---|---|
| 設備データを停止 | 合意した時間以内に更新停止を表示し、判断を保留 |
| 温度だけ欠損 | 欠損を正常値やゼロで置換せず、必要情報不足を表示 |
| 過去のデータを再送 | 最新状態を過去の値で上書きしない |
| インターネットを切断 | ローカル構成の機能を継続し、クラウド未同期を表示 |
| 同じ操作要求を再送 | 二重に実行せず、既存の処理結果を返す |
| 期限切れの要求を受信 | 実行せず、理由を記録 |
| 復旧後の同期 | 欠落・重複・時系列を確認し、同期完了を判断 |
検証結果を残すときの項目
機器・モデル・ルールの版、送信周期、通信条件、試験件数、期待結果、実際の動作、判断表示までの時間、失敗例を記録します。平均時間だけでなく遅いケースも確認し、担当者が業務で待てる範囲を評価します。
